30代会社員 モンスター上司とモンスター部下の間で…

30代…主任、リーダー、代理など、便利の良い名前で呼ばれ、上からも下からも挟まれる僕。狭間の生き様を、不定期で刻んでいきます。

モンスター③魔法使いジム

今日は天気が良い。
午前中に外回りをしながら、次の
お客様のところへ歩いていく途中。

やっぱり営業は足で稼がないと!
お客様としっかりコミュニケーションを
取って、良い商品、良いサービスを
提供する。
これが僕たち営業の本質。
勿論購入された金額を回収して
初めて仕事が終わることも叩き込まれた。

ただ、この世の中、ネット社会でもあり
スピードが大事になってくる。

僕たちは会社から営業用に携帯を
貸与されている。
いつでも連絡が取れる事は勿論、
情報をすぐに入手するために。

外出中の営業マンにとって
社内にいる事務様は非常に大事な
存在である。

お客様の急用、依頼を迅速に携帯に
メール、電話で教えてくれる。

僕の担当しているお客様の事務様が
今月から新しい子になった。

少し暗いけど、今時にしては
大人しく、仕事も必死に覚えようと
頑張っているように感じた。

お客様のところへ着く前に
着信が入る。

事務様
「すみません、あの商品の納期が遅れそうで
今、工場から連絡がありました!」

有り難い。うちの遅延だけに、スピードある
連絡は有り難い。


「わかった。連絡ありがとう。
で、どのカラーかな?」

事務様
「聞いてませんでした。一度折り返します」

やれやれ、おっちょこちょいだなぁ。
誰でも最初はそういう事もある。
折り返しますを待とう。

次の商談まで後10分ある。

少し立ち止まり、連絡を待つ。

着信が入る。

事務様
「すみません。A商品の青色です。」


「ありがとう!次に行くお客様からも発注が
ある商品だから、すぐに交渉するよ!
次の出荷日は?」

事務様
「すみません。聞いてませんでした。
折り返します」

やれやれ、商品が遅れる、どの商品が
どれだけ遅れるか?くらいは把握して
ほしいものだ。

少しイライラしだす僕。ここは我慢だ。

着信が入る。

事務様
「1週間程度です。大丈夫ですか?」


「ありがとう。どれくらい入る?このお客様の
分はどうにかなる?」

事務
「聞いてません。わからないです。」


「お客様に入る前で、時間もないんだよね。
ちゃんと調べてすぐに連絡ほしい」

少しきつめに喋り、電話を切る。

そろそろ時間が不味い。

3分経っても連絡がない。流石にこちらから
折り返す。


「もしもし?あの件わかった?」

魔法使い
「そんなのわかりませんよ!私が作るわけじゃ
ないですから。」

そりゃわかってる。君があらゆる魔法を
駆使しても作れないし、作れたなら
遅延した責任を取れと思う。

この魔法使いは、ほぼ逆ギレ状態で
なぜか僕を責め立てる。

魔法使い
「だったら、主任が聞いてください。
私が作ってないんだら、工場の担当に
聞いてくださいよ」

何が不満なのか。何度も言うが君には
作れないし、期待していない。

「もう時間もない。その工場担当の番号
教えてくれ、直接話する」

こちらも時間がない。
外からお客様の事務所を見ると、もう入ったほうがよさそうな雰囲気。やばい。

最後にメールが届く。


主任殿。
お疲れ様です。
自分で聞いてください。
工場担当 〇〇さん
内線番号 0041
魔法使いより






……外から内線はかけられないよ。

僕は黙って事務所へ入る。


教訓
事務様にはあらゆる事に感謝する。
聞きたいことを全て話して教えてもらう。
商品は会社が作るものであり、勘違いを
させない。

本音
どこまで確認するんだよ!
大体わかるだろ!
商品遅延なら、商品、納期、生産数は
セットじゃ、どあほう‼︎
というか、てめぇがつくれる程度の
商品なんて売れねーよ!
魔法使いみたいに一人で作れるものでは
ないわ!デザイン、部品、組み立てとかを
まずは勉強しろ!