30代会社員 モンスター上司とモンスター部下の間で…

30代…主任、リーダー、代理など、便利の良い名前で呼ばれ、上からも下からも挟まれる僕。狭間の生き様を、不定期で刻んでいきます。

モンスター④新聞を舐め回す

どの企業にも、多かれ、少なかれ繁忙期、閑散期がある。
月、日、時間、仕事の中身によって
バラバラだ。

ちょうど長い繁忙期を終えて、閑散期に
入る頃。
僕は社内で書類を作っていた。

緊急性はないが、せっかく出来た書類、
早く片付けたいと、奮闘する。


「あとは、上司に確認頂いてっと…」

オフィスを見渡すと、いつもの
モンスター上司も、
モンスターじゃない上司も外出中。

スケジュールを確認すると
共に出張で、今週は帰られないとの事。

うーん、この書類は来週には
使うから見てもらいたいな…

出張中にメールでご相談させて頂くのも
気が引ける。

すると、いつも慌ただしくしている
部長様がデスクにお座りになっている。

この部長は、あらゆる事業に関わり、
営業部長ながら、商品開発にも
取り組み、ヒット商品を数々
生み出したやり手だ。

うちの会社で営業部長にまで
なれたのは、相当すごい。

よし!
直属の上司がいないのだから、
一度相談してみよう。


「部長、お忙しいところ大変申し訳
御座いませんが、今お時間よろしい
でしょうか?」

部長
「………。」

目も合わさずに無視をされる。

相手を間違えたか。

しかしもう引き下がれない。


「部長、今お時間よろしいでしょうか?」

部長
「なんだ?お前はこれが見えないのか?」

部長のデスクには新聞が広げられていた。


「あぁ、大変申し訳ございません。
またお時間ある時にご相談させて
頂きます、失礼致しました。」

新聞も情報収集では必要なアイテムだ。
終わった頃を見計らって
もう一度行こう。
時間はまだある。


それから、数時間後に部長を見る。

新聞は広げていない。
パソコンを前に頬杖ついている。

ここだ!

再度書類を片手に近寄る。


「部長、今よろしいでしょうか?」

部長
「忙しい。後にしろ」


「どうしても来週には使いたい資料
なんです!目を通して頂けませんか?」

部長は徐にデスクから新聞を出し
また読み始める。

この部長が凄腕と言ってしまった事を
後悔した。

部長
「お前さ、新聞読んでんだからさ」

さっきまで見ていなかったのに…

もういい、諦めよう。時間の無駄だ。


さっと立ち去ろうとすると
後ろから声がした。

部長
「おい、やる気あんのか!
めげずに来いよ。それでも営業か!」

何を今更。こっちは仕事してんだ。

もう一度近寄り書類を渡す。

部長
「ふむふむ、なるほど…」

「よし、いいと、思う。後は直属の上司に
見てもらえ」

え?

ちょっと待て!

あなたは部長だ。

僕の上司よりも権限があるじゃないか!

部長
「わしは、印鑑はおさんのじゃ。
お前のミスで迷惑掛けられたくない
からのぅ」


この部長が、ここまでのし上がったのも
自分の責任にせずに、あらゆる人間に
責任を押し付けてきた人間だったからだと
後々知った。
ヒット商品も勝手に自分の案だと
言い放ち、若い芽を潰していった。

こんな奴が部長とは。
会社自体を疑う。


結局、この書類が来週には間に合わなず
上司にも、お客様にも怒られたことは
言うまでもない。


教訓
まずは直属の上司に相談する。
相手の状態を確認して、行動に移す。

本音
いいから見ろや!
印鑑おせや!
同じ新聞見ても中身変わんねーよ!
新聞より従業員の業務みて
会社のために頑張ってよ!