30代会社員 モンスター上司とモンスター部下の間で…

30代…主任、リーダー、代理など、便利の良い名前で呼ばれ、上からも下からも挟まれる僕。狭間の生き様を、不定期で刻んでいきます。

モンスター⑤他部署からの使者

会社で働いている以上、他部署など、業務の違う人間とも

多く関わることがある。

 

僕は明日のお客様への提案資料を作るために

早めに出社していた。

 

するといきなり背中から名前を呼ばれる。

 

他部署からの使者

「〇〇さん!」

 

振り返ると見たこともない男性がいた。

 

「お、おはようございます。」

 

他部署からの使者

「いやぁ、さすが主任さんは違うねー

 こんな早くから出社して、仕事かー」

 

「そんなことないですよ。たまたまです」

 

まったく誰かわからない。

こんな時に、「誰ですか?」と言えないのは

営業マンの性なのか。

 

他部署からの使者

「はじめまして。これまではデザイン課にいました

 営業は初めて経験になるので、優しくご指導お願いします!」

 

 

人手不足が深刻な中、

一人でも多く仲間(社員)が増えれば

助かる。

年齢も近いし、偉そうにせず、フランクに対応しよう。

 

そう決心し、営業に最低限必要なもの、準備、セールストーク

商品説明など冗談を交えつつ教える。

 

徐々に慣れ始めた1週間後…

 

他部署からの使者

「俺の前の部署だと、こうしたほうが…」

「以前の上司だったら…」

 

よくある事だ。

これまでの自分の実績、経験を惜しげもなく

アピールし、押し付けてくる。

 

申し訳ない。君の居場所はここなのだ。

昔話も良いが、今はこの部署のやり方で

動いてくれ。

 

モンスターの話をさり気なくかわしながら

営業のレクチャーを続ける。

 

他部署からの使者

「やり方間違ってますよ!お客は…」

「俺ならこうしたいですけどね!」

 

まだ営業もした事ない人間が何を…

 

少しずつイライラが募り、

「あのぉ、以前の部署のやり方よりも

  今の職場のやり方を学んだほうがスムーズ

  じゃないかな?」

 

他部署からの使者

「そうやって、人の価値観を否定するのは

  本当の営業マンじゃないですよ!

  俺が昔お世話になった先輩の話だと…」

 

もう我慢ならん。

ここは厳しく営業とは?は教えてあげないと。

「いいですか?今は営業部署にいますし、

   もっと素直に聞いても良いんじゃない

   ですか?前は前。今はこの部署で

   戦力になるように頑張りましょうよ!」

 

少し言いすぎたかもしれない。

 

モンスターは少し下を向いて言った。

 

「そうやって説教してるから、この会社は

  良くならないんですよねー。

  前の経験があるんで、俺はもう営業ぐらい

  できますよ!」

 

言ったな。

よし、やってみろ。商品、サービスを買って

頂く。それがお客様のためになる。

喜んでもらって、初めてやりがいが出る。

 

その時、内線が鳴る。

 

「はい、〇〇です。」

 

デザイン課の課長

「あ、もしもし〇〇くん?

   今月からそっちに彼が行ったでしょ?

   ちょっと変わったやつだけど

   よろしくね!」

 

「はい。人手不足ですし有難い戦力ですよ!

   これからしっかり頑張って貰いたいと

   思います!」

 

デザイン課の課長

「ああ、あと、彼は副社長のご子息だから。

   わがままかもしれないけど、上手く

   やってね!」ガチャ

 

………。

 

この電話以降、全力で前の職場での話を

最強の笑顔で伺い、褒め続けたのは

言うまでもない。

   

教訓

どんな方でも、まずは相手の話を伺い

把握した上で物事を慎重に進める。

 

本音

身元あかせや!

こっちはただのサラリーマンなんだよ、ぼけ!

縦社会の中で生きてくの必死なんだよ!

ホント説教して、本当に申し訳御座いません。

お願いだから忘れて……くだちゃぃ…